タクトタイムの計算。組立ラインと加工設備で、決まった時間ごとに製品が流れていくイメージ
タクトタイムは、現場の速さではなく、必要な数から決まる。

「この設備、何秒で1個作れればいいのか」「ラインには何人いればいいのか」。どちらも、最初に決めるのはタクトタイムです。本記事では、タクトタイムの計算方法を、計算例つきで解説します。計算式と稼働時間の取り方、サイクルタイムやリードタイムとの違い、ラインバランスと必要な人数までを順に扱います。

後半では、設備を設計する立場から、タクトタイムを「設備の目標サイクルタイム」に直し、送る・掴む・加工する・運ぶといった動作ごとの時間に割り振る方法を説明します。条件を入れて試せる計算ツールと、作業を分けて人数を決めるゲームもあります。数値はすべて説明用の例です。

計算例の適用範囲

  • 本記事は、1種類の製品を流すラインを例に、タクトタイムと人数、設備のサイクルタイムの基本的な考え方を説明するものです
  • 稼働時間、必要数、作業時間、時間稼働率、良品率は、すべて説明用の仮の値です。実際の計画では、自社の生産計画と現場で測った値を使ってください
  • 1本のラインで何種類もの製品を作る場合や、段取り替えが多い場合は、本記事の考え方に加えて品種ごとの負荷を確かめてください

この記事でわかること

  • タクトタイムの意味と計算式、稼働時間と必要数の取り方
  • サイクルタイム・リードタイムとの違いと、タクトタイムとの関係
  • 必要な人数とバランス率の求め方
  • 時間稼働率と良品率から、設備の目標サイクルタイムを逆算する方法
  • 目標サイクルタイムを、設備の動作ごとの時間に割り振る方法

タクトタイムとは|1個を何秒で作ればよいかの目安

タクトタイムは、決められた稼働時間の中で、必要な数を作り切るために、1個あたりに使ってよい時間です。語源は、音楽の拍子を意味するドイツ語の Takt です。必要な数がそろうペースを、ラインが刻む拍子にたとえた言葉です。

大事なのは、タクトタイムは現場の作業の速さから決まるのではなく、お客様が必要とする数から決まることです。同じラインでも、注文が増えればタクトタイムは短くなり、減れば長くなります。設備や人の能力は、このタクトタイムに合わせて用意します。

1稼働時間と必要数からタクトを出す 2人数と作業の分け方を決める 3止まる分と不良の分で設備の目標へ 4動作ごとに時間を割り振る 1と2は人のライン、3と4は設備の設計で使う
本記事は、この順に説明する。

この章のまとめ

  • タクトタイムは、必要な数を作り切るために、1個あたりに使ってよい時間
  • 現場の速さではなく、必要な数から決まる。人と設備はそれに合わせて用意する

タクトタイムの計算式と計算例

タクトタイム = 稼働時間 ÷ 必要数
稼働時間:休憩などを除いた、その期間に生産に使える正味の時間(秒)、必要数:その期間に作る数(個)

式は割り算1つですが、何を稼働時間に入れ、何を必要数とするかで答えが変わります。

稼働時間の取り方

稼働時間は、勤務の時間から、あらかじめ決まっていて作業ができない時間を除いたものです。休憩、朝礼、始業の点検、終業の清掃などがこれにあたります。決まった時刻に行う段取り替えも、計画に入っていれば除きます。

一方、設備の故障や部品の待ちのように、いつ起きるか分からない停止は、本記事ではここで引かず、後で説明する「時間稼働率」で扱います。両方で引くと、同じ停止を二重に数えることになります。計画した保全を稼働時間から引くか、止まった時間として数えるかなど、区分の仕方は会社の管理の基準によって違うので、社内の決まりにそろえます。

必要数の取り方

必要数は、出荷に必要な良品の数を基準にします。月の計画から出す場合は、月の必要数を稼働日の数で割って、1日あたりにします。注文が日によって大きく変わるなら、平均だけでなく、多い日の数でも計算しておきます。

計算例:2直で、1日に1,100個

月に22,000個を、20日で作る組立ラインを考えます。1日の必要数は1,100個です。勤務は1日2直で、1直は8時間(480分)から、休憩30分と、朝礼・始業点検の10分を除いた440分とします。

稼働時間 = 440分 × 2直 = 880分 = 52,800秒
タクトタイム = 52,800 ÷ 1,100 = 48秒

このラインでは、48秒ごとに1個、完成品が出てくれば、1日の必要数がそろいます。

必要数や勤務が変わると

1日の必要数タクトタイム(2直・880分)
880個60秒
1,100個48秒
1,320個40秒
1,650個32秒

必要数が1.5倍になると、タクトタイムは3分の2になります。同じ1,100個を1直だけで作るなら、稼働時間が半分になるので、タクトタイムは24秒です。勤務の組み方は、タクトタイムを決める大きな要素で、人や設備を増やす前に検討できる手段でもあります。

この章のまとめ

  • タクトタイム = 稼働時間 ÷ 必要数
  • 稼働時間からは、休憩や朝礼など、計画で決まった止まる時間だけを除く
  • 計算例では、880分・1日1,100個で48秒。勤務の組み方でも変わる

サイクルタイム・リードタイムとの違い

タクトタイムとよく並べられるのが、サイクルタイムとリードタイムです。名前は似ていますが、決め方も測り方も違います。

名前何の時間かどう決まるか
タクトタイム1個あたりに使ってよい時間稼働時間と必要数から計算する目安
サイクルタイム1つの工程や設備が、1個を仕上げるのに実際にかかる時間現場で測る。設備では、次の1個に取りかかれるまでの時間
リードタイム着手から完成(または受注から出荷)までにかかる全体の時間加工の時間に、運ぶ時間、待つ時間、検査の時間を足したもの
タクトタイム この間隔で1個 サイクルタイム 1工程の実際の時間 リードタイム 待ち運ぶ・待ち 着手から完成まで、待ちも含めた全体
タクトタイムは目安、サイクルタイムは工程ごとの実際の時間、リードタイムは全体の時間。

サイクルタイムは、同じ工程を何回か測り、ばらつきも見ます。手作業では、作業者や部品の状態で毎回少しずつ変わるので、平均だけでなく、長いほうの値も記録しておきます。設備では、ワークを受け取ってから、次のワークを受け取れる状態になるまでを1サイクルとします。

リードタイムを短くするには、加工を速くするより、工程の間の待ちと仕掛かりを減らすほうが効くことが多いです。タクトタイムとサイクルタイムは「1個あたりの時間」、リードタイムは「1個が通り抜ける時間」と覚えると混同しにくくなります。

この章のまとめ

  • タクトタイムは計算で決める目安、サイクルタイムは工程ごとに測る実際の時間
  • リードタイムは、待ちや運ぶ時間を含む、着手から完成までの全体の時間
  • サイクルタイムは、平均だけでなくばらつきも記録する

タクトタイムとサイクルタイムの関係

タクトタイムとサイクルタイムを比べると、そのラインが必要な数を作れるかどうかが分かります。

  • サイクルタイムがタクトタイムより長い工程がある:その工程が間に合わず、後ろの工程は待たされ、前には仕掛かりがたまります。残業や休日の出勤で、足りない分を補うことになります
  • すべての工程が、タクトタイムより大幅に短い:必要な数より速く作れますが、作りすぎて在庫が増えるか、人や設備の待ちが生まれます。速ければよい、とは限りません
  • すべての工程が、タクトタイムより少し短い:必要な数を、無理なく作れる状態です。ばらつきや小さな停止を吸収できる程度の余裕を残します

比べるときは、サイクルタイムの平均だけでなく、長いほうの値も見ます。平均がタクトタイムより短くても、長い値がたびたび出れば、その都度遅れがたまっていきます。

この章のまとめ

  • タクトタイムより長い工程があれば、そこで遅れと仕掛かりが生まれる
  • 短すぎるのも、作りすぎや待ちのもとになる。少し短い状態をめざす

必要な人数とバランス率の求め方

手作業のラインでは、タクトタイムから、何人で作業を分ければよいかを考えます。

必要な人数(理論)= 作業時間の合計 ÷ タクトタイム(小数点以下は切り上げ)
バランス率(%)= 作業時間の合計 ÷(いちばん長い工程の時間 × 人数)× 100

バランス率は、各工程の作業時間がどれだけそろっているかを表します。100%に近いほど、待ちの少ないラインです。

計算例:9つの作業を、タクトタイム48秒で分ける

先ほどの1日1,100個のラインで、次の9つの作業を順番に行うとします。作業の順番は入れ替えられないものとします。

作業時間作業時間
1 部品をそろえる12秒6 カバーを付ける15秒
2 本体を治具に置く9秒7 動作を確かめる25秒
3 部品を組み付ける19秒8 ラベルを貼る11秒
4 ねじを締める17秒9 箱に詰める14秒
5 配線をつなぐ20秒合計142秒

必要な人数(理論)= 142 ÷ 48 = 2.96 → 3人

計算では3人です。ところが、順番を崩さずに3人で分けると、いちばんうまく分けても工程の時間は40秒・52秒・50秒になり、2人がタクトタイムの48秒を超えます。理論の人数は「これより少なくはできない」という下限で、その人数で収まるとは限りません。この3人の分け方でもバランス率は91.0%と高いのですが、いちばん長い工程がタクトタイムを超えている限り、必要な数は作れません。バランス率と、各工程がタクトタイムに収まっているかは、別々に確かめます。

4人で分けると、40秒(作業1〜3)、37秒(作業4・5)、40秒(作業6・7)、25秒(作業8・9)になり、全員がタクトタイムに収まります。

バランス率 = 142 ÷(40 × 4)× 100 = 88.8%

3人で分けた場合 4人で分けた場合 405250 40374025 タクト 48秒 1人目2人目3人目 1人目2人目3人目4人目 線より上に出た工程で、遅れがたまる
工程ごとの時間を棒にして、タクトタイムの線と比べると、どこが間に合わないかが一目で分かる。

バランスをよくする方法

4人目の工程は25秒で、ほかの工程より手が空きます。この空きを減らすには、まず、いちばん長い工程(ボトルネック)から手を付けます。ほかの工程をいくら速くしても、完成品がラインの最後から出る間隔は、いちばん長い工程が決めるからです。

  • 長い作業を2つに分けられないか、前後の工程に移せないかを考える
  • 治具や工具を変えて、長い作業そのものを短くする
  • 分けられない長い作業は、2人や2台で並べて、交互に受け持つ
  • それでも合わないときは、勤務の組み方を変えて、タクトタイムの側を見直す

作業を移すときは、作業の順番の決まり(ねじを締める前にカバーは付けられない、など)を崩さないようにします。

この章のまとめ

  • 必要な人数(理論)= 作業時間の合計 ÷ タクトタイム。これは下限で、順番の決まりによって1人増えることがある
  • 計算例では、理論は3人、実際は4人。バランス率は88.8%
  • 改善は、いちばん長い工程から手を付ける

設備の目標サイクルタイムは、タクトタイムより短くする

ここからは、設備を設計する立場で考えます。自動化の装置を入れるとき、「タクトタイムが48秒だから、装置のサイクルタイムも48秒でよい」とすると、多くの場合、必要な数を作れません。設備は、故障や段取りで止まることがあり、小さな停止(チョコ停)や速度の低下もあり、不良品も出るからです。

設備の目標サイクルタイム = タクトタイム × 時間稼働率 × 良品率
時間稼働率:稼働時間のうち、設備が止まらずに動いている時間の割合、良品率:作ったうち良品になる割合

チョコ停や速度の低下(性能のロス)を別に見込む場合は、設備総合効率(OEE)の考え方にならい、性能稼働率も掛けます。本記事では、止まる時間をまとめて見込んだ時間稼働率を85%、良品率を98%とします(仮の値・要確認)。

目標サイクルタイム = 48 × 0.85 × 0.98 = 39.98秒(約40秒)

必要数を良品率で割って「作らなければならない数」を1,122個とし、稼働時間に時間稼働率を掛けた時間で割っても、同じ答えになります。設備の仕様は、タクトタイムの48秒ではなく、約40秒を目標に、ばらつきの分の余裕を持たせて決めます。ちょうど40秒では、計算上わずかに足りないことにも注意します。

なお、トヨタ生産方式の考え方では、設備を動かしたいときに正常に動かせる状態を表す「可動率(べきどうりつ)」と、需要に応じて設備をどれだけ使ったかを表す「稼働率」を区別して扱います。本記事の時間稼働率は、前者に近い意味です。用語や計算の仕方は文献や会社によって違うことがあるので、社内で定義をそろえてから数字を決めます。

同じ停止を二重に引かない

計画した段取り替えを稼働時間から引いたなら、その時間は時間稼働率には入れません。たとえば、1直30分の段取り替えを稼働時間から引き、さらに時間稼働率の中にも含めて計算すると、目標は約37.3秒になり、40秒より2.7秒厳しくなります。厳しすぎる目標は、装置を必要以上に速く、高くします。何を稼働時間で引き、何を時間稼働率で見込んだかを、計算書に書いておきます。

この章のまとめ

  • 設備の目標サイクルタイム = タクトタイム × 時間稼働率 × 良品率(性能のロスを別に見込むなら性能稼働率も掛ける)
  • 計算例では、48秒が約40秒になる。設備の仕様は、余裕を持たせて決める
  • 計画した停止は、稼働時間か時間稼働率のどちらか一方でだけ扱う

目標サイクルタイムを、設備の動作ごとに割り振る

目標の40秒が決まったら、装置の動作ごとに時間を割り振ります。ワークをコンベアで送り、シリンダで押さえ(クランプ)、加工し、真空パッドで取り出して次の工程へ運ぶ装置を例にします。

動作時間見積もりの考え方
ワークを送る(コンベア)3.0秒300mmを0.15m/sで送る2.0秒に、加減速と位置決めの1.0秒を足す
位置決め・クランプ(シリンダ)0.8秒ストローク50mmを平均100mm/sで0.5秒、弁の切り替えとセンサの確認に0.3秒
加工28.0秒加工の条件から決まる時間
アンクランプ0.6秒シリンダが戻り、センサで確かめるまで
取り出し・吸着(真空パッド)2.0秒ハンドが下りて吸い、真空が届いたことを確かめる0.5秒を含む
次の工程へ運ぶ4.0秒運んで置き、真空を切るまで
ハンドが戻る3.0秒取り出しの位置まで戻る

全部を順番に行うと 3.0 + 0.8 + 28.0 + 0.6 + 2.0 + 4.0 + 3.0 = 41.4秒 → 目標の40秒を1.4秒超える

ここで、ハンドが「運ぶ・戻る」(7.0秒)の間に、次のワークの送りとクランプ、加工を始めるようにします。ハンドは加工が終わる前に戻ってこられるので、この7.0秒はサイクルタイムから外れます。

重ねた場合 3.0 + 0.8 + 28.0 + 0.6 + 2.0 = 34.4秒(目標の40秒に5.6秒の余裕)

全部を順番に行う(41.4秒) 加工 28.0秒 運ぶ・戻る 運ぶ・戻るを、次のワークと重ねる(34.4秒) 加工 28.0秒 前のワークを運ぶ・戻る(加工と同時) 目標 40秒 送る クランプ・アンクランプ 加工 取り出し・吸着 運ぶ・戻る 同時にできる動作を重ねると、サイクルタイムが縮む
横の長さが時間。下の段では、ハンドの動きを次のワークの加工中に済ませている。

重ねられるのは、互いにぶつからず、順番の決まりや安全のための確認の待ちもない動作です。ハンドと次のワークの送りが同じ場所を通るなら、ぶつからないようにセンサで確かめる時間が要ります。重ねた動作のどちらかが遅れたときに、装置がどう待つかも決めておきます。

動作の時間は、速さの最大値だけで見積もると短くなりすぎます。シリンダは弁が切り替わってから動き出すまでの遅れ、コンベアは加減速、真空パッドは真空が届くまでの時間があります。シリンダの速さは、負荷や供給の圧力、速さの調整でも変わります。真空が届くまでの時間は、パッドと配管の容積、真空を作る機器の能力、漏れで変わります。このほか、センサの応答、制御の処理、安全のための確認(インターロック)の時間や、ワークの位置ずれで取り直す時間も見込みます。それぞれの見積もり方は「エアシリンダの選定計算」「コンベアのモーター選定」「真空パッドの選定計算」で扱っています。表の値は計画のための見積もりなので、試作や実機で測って確かめます。

また、いちばん長い動作が目標を超えるなら、重ねても解決しません。計算例で加工が40秒を超えるなら、加工の条件を見直すか、加工する場所を2つにして交互に使う、といった方法を考えます。

この章のまとめ

  • 目標サイクルタイムを、動作ごとの時間に割り振り、タイムチャートで確かめる
  • 計算例では、順番に行うと41.4秒。運ぶ・戻るを重ねて34.4秒になった
  • 動作の時間には、弁の遅れ、加減速、真空が届くまでの時間を含める

自分の条件で試す|タクトタイムとラインバランスの計算ツール

稼働時間、必要数、時間稼働率、良品率を入れると、タクトタイムと設備の目標サイクルタイムが出ます。工程ごとの時間を入れると、棒グラフにタクトタイムの線を重ねて、バランス率といちばん長い工程を示します。初期値は、本記事の計算例と同じです。

タクトタイムと、工程ごとの時間のバランス

タクトタイムは「稼働時間 ÷ 必要数」、設備の目標サイクルタイムは「タクトタイム × 時間稼働率 × 良品率」で概算します。チョコ停や速度の低下(性能のロス)を別に見込む場合は、その分も時間稼働率に含めて入れてください。稼働時間には、休憩や朝礼など、計画で決まった止まる時間を除いた時間を入れます。計画した段取り替えを稼働時間から引いた場合は、その分を時間稼働率に入れないでください。工程ごとの時間は、現場で測った値(できれば長いほうの値)を入れます。バランス率は「工程の時間の合計 ÷(いちばん長い工程の時間 × 工程の数)」です。結果は目安で、ラインや設備の能力を保証するものではありません。多くの品種を流す場合や、段取り替えが多い場合は、品種ごとの負荷も確かめてください。

タクトタイム

1日の直の数

稼働時間(1日) 分
タクトタイム 秒
設備の目標サイクルタイム(時間稼働率・良品率込み) 秒

工程ごとの時間

工程(人・設備)の数

結果

工程の時間の合計 秒
必要な人数・台数(理論の下限)()
いちばん長い工程
判定
バランス率 %

初めての条件や、調べる時間がないときは

図面や寸法などの条件を送っていただければ、タクトタイムとラインの検討から計算書の作成までお引き受けします。客先にそのまま出せる資料にまとめます(オンライン・全国対応)。

タクトタイムとラインの検討を依頼する料金の目安計算書の見本

やってみよう|タクトに間に合わせろ!ライン分けゲーム

8つの作業を、順番を変えずに何人かで分けます。作業の時間とタクトタイムは、毎回変わります。作業と作業の間をクリックすると、そこで次の人に交代します。スタートを押すと、タクトタイムごとに製品が流れてきます。タクトを超える人の前には、製品がたまっていきます。全員をタクトに収め、できるだけ少ない人数で回せばクリアです。

ライン分けゲーム

タクトタイム 秒(作業の合計 秒)

完成 0 個 タクトどおりなら — 個 作業の間をクリックして、受け持ちを分けてください

作業(左から順番。間の「|」を押すと、そこで次の人に交代)

作業の間の「|」を押して受け持ちを分け、スタートを押してください。

製品は、タクトタイムごとに1個ずつ流れてきます。1人が受け持つ時間は、受け持つ作業の時間の合計です。前の人から受け取り、自分の作業が終わって手が空いていれば、すぐに次の製品に取りかかります。いちばん少ない人数は、作業を前から順に、タクトを超えない範囲で詰めていく分け方で求めています。運ぶ時間や作業のばらつきは入れていません。

タクトタイムの計算でよくある失敗

休憩や朝礼を引かずに計算する

計算例で勤務の8時間をそのまま使うと、タクトタイムは約52.4秒になります。休憩中も作れる前提になるので、必要なペースを約4秒ゆるく見積もることになり、その目標で組んだラインでは、毎日1,100個に届きません。

サイクルタイムの平均だけで比べる

平均は45秒でも、ときどき55秒かかる工程があれば、そのたびに遅れがたまります。測った値の長いほうも見て、なぜ長くなったかを確かめます。

設備の動作を、全部足し算で見積もる

全部の動作を順番に足すと、装置の仕様が必要以上に厳しくなり、速いシリンダや大きなモーターを選んでしまいます。同時にできる動作を、タイムチャートで先に整理します。

この章のまとめ

  • 稼働時間から、計画で決まった止まる時間を引く
  • サイクルタイムは、平均だけでなく長いほうの値も見る
  • 設備の動作は、足し算の前にタイムチャートで重ね方を考える

タクトタイムの計算でよくある質問

何種類もの製品を1本のラインで作るときは、どう計算しますか

まず、全品種の必要数を合計して、共通のタクトタイムを出します。そのうえで、品種ごとのサイクルタイムを比べ、時間のかかる品種が続くと遅れがたまらないか、流す順番で平均できないかを確かめます。段取り替えの時間を稼働時間で引くか、時間稼働率で見込むかも決めておきます。

タクトタイムは、短いほうがよいのですか

タクトタイムは必要な数から決まる目安なので、短ければ短いほどよい、とは言えません。求められる数を上回る速さのラインは、在庫や待ちを生みます。目標は、タクトタイムに合わせて、必要な数をむだなく作ることです。

まとめ

タクトタイムは「稼働時間 ÷ 必要数」で求め、1個あたりに使ってよい時間を表します。計算例では、880分で1日1,100個を作るラインで48秒でした。手作業のラインでは、作業時間の合計から必要な人数を出し、順番の決まりを守って作業を分け、バランス率で確かめます。

設備では、タクトタイムに時間稼働率と良品率を掛けて、目標サイクルタイムを決めることが出発点です。そのうえで、動作ごとに時間を割り振り、同時にできる動作をタイムチャートで重ねます。まずは計算ツールで自社の条件を入れ、ゲームで作業の分け方を試してみてください。

参考
・生産管理・工程設計の一般的な考え方(タクトタイム、サイクルタイム、リードタイム、ラインバランス)
・トヨタ生産方式の用語(可動率と稼働率)、設備総合効率(時間稼働率・性能稼働率・良品率)
・動作の時間の見積もりは、本シリーズのエアシリンダ、コンベア、真空パッドの記事を参照

今回の仕様が初めての条件で、一から調べる時間がないときは、タクトタイムとラインの検討から計算書の作成までお引き受けします。図面や寸法などの条件を送っていただければ、計算の前提の整理から資料づくりまで行います(オンライン・全国対応)。 タクトタイムとラインの検討を依頼する料金の目安計算書の見本