「省力化投資補助金」という制度があるのは知っている。でも、自社の工場の何が対象になるのか、正直よく分からない——。
そう感じている方は少なくないはずです。制度の存在は知っていても、「どこを・どう省力化すればいいかイメージできない」という理由で一歩を踏み出せない中小製造業は、実は最多の割合を占めています。
この記事では、書類や手続きの専門家では答えにくい「自社の現場のどこが対象になりそうか」という技術的な視点から、判断のヒントをお伝えします。
多くの中小製造業は「一般型」向きです
省力化投資補助金には、大きく分けて2つのタイプがあります。
カタログ注文型 あらかじめ登録された汎用製品(決まった機器)を、カタログから選んで導入するタイプです。既製品で十分にニーズを満たせる、シンプルな省力化に向いています。販売店(販売事業者)と共同で申請する仕組みのため、比較的進めやすいのが特徴です。
一般型 企業ごとの設備環境や事業内容に合わせて、オーダーメイドで設備導入・システム構築を行うタイプです。カタログに載っているような既製品では対応できない、現場特有の課題に対応できる分、「導入前後で、作業時間・人員・生産量がどれだけ変わるのか」を数値で示す必要があり、準備にも時間がかかります。
多くの中小製造業は、毎回違うものを、少しずつ作っています。決まった形の製品を大量生産するラインを持つ会社は少なく、現場ごとに課題も設備の配置も違うのが実情です。
現場を見てきた経験から言えば、既製品では対応しきれない現場が大半であり、本来は「一般型」で検討すべきケースがほとんどだと考えています。
一般型で申請者が一番つまずくポイント
一般型の審査では、「導入前後でどれだけ効果が出るか」を具体的な数字で示すことが求められます。
ここが、書類作成や手続きの専門家だけでは対応しきれない部分です。申請手続きに精通した専門家であっても、「現場のどの作業を、どう測定して、どれだけ改善できるか」という技術的な部分までは踏み込めないことが多いのが実情です。
一方で、現場の作業時間や人の動きを実際に測定し、数字として示すことは、まさに現場を知る技術者の領域です。
対象になりやすい現場の特徴
現場を見てきた経験から言えるのは、以下のような特徴がある工程は、一般型の対象として検討しやすいということです。
- 同じ作業を、毎日くり返し人の手で行っている
- 作業者の経験や勘に頼っている工程がある
- 設備の稼働状況を、数字ではなく感覚で把握している
- 品質のバラつきの原因が、その場では分からない
- 動線やムダ・滞留の実態を、データで見えていない
こうした現場は、3Dスキャンによる動線の可視化や、IoTセンサーによる稼働データの取得によって、「どれだけ改善できるか」を数字で示せるようになります。それがそのまま、一般型申請の根拠資料にもなります。
まずは、ご自身の現場を確認してみてください
「自社の現場は対象になりそうか」を考える前に、まずどこに省力化・省人化の余地があるかを整理してみましょう。
以下の自己診断チェックリストで気になる項目を洗い出し、概算シミュレーションで削減できそうな金額感を確認できます。
対象になりそうな箇所が見つかったら
チェックリストで気になる項目が見つかった場合は、無料の現場診断で、具体的にどの工程が対象になりそうか、どれくらいの投資規模になりそうかを一緒に確認できます。
制度の説明だけでは分からない「自社の工場の場合はどうか」を、現場を知る立場から一緒に整理していきます。
※ 制度の要件・公募スケジュールは変更されることがあります。最新の情報は中小企業省力化投資補助金の公式サイトでご確認ください。
