印刷・パッケージ製造は、色の再現性と、多品種小ロットへの対応力が問われる業種です。この記事では、現場特有の課題と、IoT・デジタルツインの活用の方向性を解説します。
印刷・パッケージ現場が抱えやすい課題
色管理が経験に依存している
同じ色を再現するための版・インキ・機械設定の調整は、多くの現場でベテランの目視判断に頼っています。担当者によって仕上がりに差が出やすく、品質の標準化が難しい要因になっています。
品種切り替えのたびに発生する段取り替え
印刷・パッケージは、多品種小ロットでの生産が中心になりやすく、品種が変わるたびに版の交換や機械設定の調整が発生します。この段取り替えにかかる時間が、生産性を左右します。
設備の稼働状況が把握しにくい
複数の印刷機・加工機を並行稼働させる中で、どの機械が今どんな状態にあるかを正確に把握できていない現場は少なくありません。
IoT・デジタルツインでできること
色設定データの記録・蓄積
過去の色設定条件(インキの配合、機械設定値等)を記録・蓄積しておくことで、同じ案件の再印刷や類似色の調整時に、経験だけに頼らず条件を呼び出せるようになります。
稼働状況の可視化
各設備の稼働・停止状態をセンサーで捉え、可視化することで、段取り替えのタイミングやボトルネックとなっている工程を把握しやすくなります。
図面のない設備・治具のデータ化
古い機械や自社で改造した治具など、図面が残っていない設備を3Dスキャンでデータ化しておけば、修理や部品交換の際の検討がスムーズになります。
小さく始める
すべての設備・工程を一度にデータ化する必要はありません。まずは色ズレが起きやすい案件や、段取り替えに時間のかかっている工程から着手するのが現実的です。
まとめ
印刷・パッケージ製造の現場は、色管理の属人化と、多品種小ロットならではの段取り替えの負担を抱えています。設定条件の記録・蓄積と稼働状況の可視化は、これらの課題に着実に向き合う手段になります。
