塗装・表面処理は、化学品を扱いながらも、大規模プラントとは異なる中小規模の工場が数多く存在する業種です。この記事では、現場特有の課題と、IoT活用の方向性を解説します。
塗装・表面処理現場が抱えやすい課題
膜厚・乾燥条件の管理が経験頼み
塗装の仕上がりは、塗布量、乾燥温度・時間といった条件に大きく左右されます。これらの条件調整の多くが、担当者の経験と勘に基づいて行われている現場は少なくありません。
気候・季節による品質のばらつき
塗装工程は、気温・湿度といった環境条件の影響を強く受けます。同じ手順で作業しても、季節によって仕上がりに差が出ることがあり、この変動要因を管理しきれていないケースが見られます。
設備の稼働・在庫状況の把握
塗装ブースや乾燥炉の稼働状況、使用する塗料の在庫状況を正確に把握できていないと、非効率な段取りや欠品による作業停止が起きやすくなります。
IoT活用でできること
実際に、中小規模の塗装会社がIoT・デジタル化に取り組み、業務効率化を進めている事例が公的機関の支援事例として紹介されています。 具体的には、以下のような取り組みが有効です。
環境データの記録
温度・湿度をセンサーで継続的に記録し、過去の条件と仕上がりを突き合わせることで、季節によるばらつきの要因を把握しやすくなります。
塗装条件のデータ蓄積
膜厚や乾燥時間といった条件を記録・蓄積しておくことで、類似案件での条件出しにかかる時間を短縮できます。
稼働状況の可視化
塗装ブース・乾燥炉の稼働状況をセンサーで捉え、可視化することで、非効率な段取りを見直しやすくなります。
小さく始める
すべての工程を一度にデータ化する必要はありません。まずは仕上がりのばらつきが気になる一つのラインから、環境データの記録を始めるのが現実的です。
まとめ
塗装・表面処理の現場は、経験に頼った条件管理と、気候による品質のばらつきという課題を抱えています。環境データや条件データの記録・蓄積は、これらの課題を数値に基づいて捉え直す手段になります。
参考
- 埼玉県DX推進支援ネットワーク「中小企業のデジタル化・DX事例」
